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個別記事の管理2015-02-22 (Sun)
今日は市販の書籍の感想。

「玻璃の花籠」  広瀬もりのさん作  アルファポリスレジーナブックス 1200円

海底にある平安絵巻的な世界というちょっと変わった設定。
一族の跡継ぎである雷史は、逆らえない大臣家に、出戻りの年上の女、秋茜を押し付けられる。
そのことが不満で、秋茜のことを顧みなかった雷史だったが、おとなしく非の打ちどころのない振る舞いをする妻に、徐々に心惹かれていく。しかし、妻はどんなに愛しても心を開かないのだった……という感じのお話。

昔ネットに出ていた作品の書籍化らしいけど、私はネット版は読んでいない。
この本を購入したのは、単純に題名が読めなかったからだ(笑)。
玻璃……「はり」。
玻璃って何よ。それで興味がわいた。
よし、この本で漢字の勉強をしよう! 
ぱらぱらと中をみたら、描写もしっかりあるようだし、トリップでもないし、主人公が軽々しくなくて、いい感じだった。

描写はとにかく綺麗。
平安時代っぽい雰囲気があって、海底世界である必要などないと私は思ってしまった。
それぐらい平安みたいな和風色が強く、袴などの服装や建物がしっかり作りこんであった。
挿絵が時々入ると、ああ、海底世界の魚人(そういう言い方ではないけど)だったわ……と妙に残念に思ったり。
私は平安時代絵巻を読んでいる気になっていたのだ。
この作品では、みんなエラみたいなものが付いている人間、という設定だけど、エラなしでも充分楽しめる。
エラがないと話が成り立たない、という部分は見当たらなかったし。

他の方の感想をみると、「雷史視点が多いため、秋茜が何を考えているのかわからない、共感できない」という意見が複数見受けられた。
そうか……男性視点だとつまらないと思う人が多いのかな。
私はまったくそう思わない。
妻が何を考えているかわからないから、先が読みたくなる。
とらえどころのない妻の描写、すごくよかったと思うんだけどなあ……

話のはじめと終わりでは、雷史は別人のようになっている。
そこにひっかかる人もいたようだけど、私はそれほど気にならなかった。
人は時と共に変わっていくものだから。
それに、乱暴な男が終盤になると妙にやさしくなっているのは小説の中ではよくある話。
この巻できちんと終わっていてよかった。
妻が本心を語る場面がとても好き。

ただ、それが海底の魚人だと思ってしまうと少々気持ち悪いのだった。
それだけは飲めなかったけど、綺麗な描写を楽しめておおむね満足。

せっかく一生懸命に世界を考えた作者さん、ごめんなさい。
次作は海底でない普通の平安朝の作品をリクエストします。
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個別記事の管理2014-12-01 (Mon)
今日は市販の紙の書籍の感想。

「弥勒の月」 あさのあつこ著  光文社文庫

時代劇。小間物屋の若女将が自殺。その夫、遠野屋の主人のふるまいに不信感を抱いた同心、信次郎が、岡っ引きの伊佐治と共に事件を追う。

以下、簡単な感想など。



私は時代劇というものはほとんど読まない。というか、以前はまったく興味がなかった。
知り合いの作品とかでない限り、わざわざ買わない。
某小説企画で時代劇を書く必要に迫られ、勉強の為にしぶしぶ資料を集め、少しずつ読むようになって現在に至る。
時代劇には現代小説にない言葉が多く使われている場合があり、語彙を増やすには有効だと思う。

今回読んだこの作品「弥勒の月」は、その企画の時に、某様におススメの時代小説として紹介してもらった本だった。
長く積み本になっていたが、ようやく読了できた。

最初は読みにくく、読み捨てようかと思ってしまった。
誰が主人公かわからず、視点もころころ変動。
どうやら、伊佐治の視点を主にして話が進んでいるようだったが、それ一本でもなく。
お話も、現代刑事ドラマをそのまま江戸時代にしたような感じで、普通に解決されてハイ終了かと思えた。
しかし、そう単純なお話でもなかったからよかった。

中盤以降、遠野屋の謎が徐々に明かされてくるとページをめくるのが楽しみになった。
これは読んでよかったと思えた本。
暗い過去を持つ遠野屋の主人がものすごく光る。
それにつっかかる信次郎はまったくとらえどころがなく、よくわからない人物として描かれているが、それもこの作品の魅力なのだろう。
その下で働く伊佐治がうまく物語の味を出している。

ただ、時代劇を全く知らず、初めて読む人にはあまりやさしくないかな、とは思った。
同心、岡っ引き、この言葉とその関係がわからないと、何が何だかわからないかも。
岡っ引きは同心の下だが、岡っ引きは「親分」と呼ばれる習慣があることなど、知らないと上下関係がわかりにくいんじゃないか?
現代だと「親分」って普通は下の者ではなく、上に言う感覚。
某企画に参加するまでは、私はそんなことすら知らなかった。
その時に少し時代ものをかじったおかげですんなり読めたけど。

続編が何冊か出ているようだ。
この内容なら続きを読んでもいいね。この書を紹介したくださった方、ありがとうございました☆
満足度☆4

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個別記事の管理2014-11-17 (Mon)
今日はWEB小説から紙の書籍になったお話の感想を。
長い長ーいお話、書籍に入っていない番外も多数あり、書籍、WEB両方で今読めるものは、やっと全部読み終えた。

「灰と王国」  風羽洸海さん作  KADOKAWAエンターブレイン 
ファンタジー 全4巻完結。 各1200~1600円

WEB版  作者さんサイト http://www1.kcn.ne.jp/~hiromi-k/diatius/index.html
小説家になろう版  http://ncode.syosetu.com/n2383bc/

竜や精霊がいる世界。
粉屋の少年フィンは闇の眷属(けんぞく)の襲撃から逃れるため家族と共に町へ行くが、そこも酷い状態。
フィンは大けがを負い、その時に竜と絆を結ぶ。それにより、彼の運命は大きく変わる。
崩壊する帝国の中で、フィンの一家が平和を求めてさすらい、やがて町を再建するまでのお話。

以下、簡単な感想。



私は、WEB版は読まずに紙の書籍を購入した。
このお話のことも、作者さんのことも全く知らなかったが、ツイッターで流れて来る情報からこの作品は買っても絶対にはずれではないだろうと思ったのだ。数巻あってもたぶん読み通すことができるだろうと。

結構な量があり、読了時間はそれなりにかかった。
特に四巻目は分厚い。挿絵を入れるページもなかったのだろう。

長くこの本と共にあったせいか、読み終え、不思議な余韻が残る。
国が滅びて再建される歴史の部分を切り取ってみたような。
無駄な時を過ごしたとは思わなかった。

異世界が舞台でも、今はやりの異世界転生ものでないことがよかった。
さえない屑男が異世界へ転生して最強勇者になるわけでもなく、異世界の王に愛される現代女子高生が登場するわけでもなくて。読者にこびていない。
こういう話をもっと書籍化してほしいんだよなあ。
表紙も好きだ。原色に彩られたアニメ系萌えキャラではないからいいんだよ。
特に、四巻目の表紙、めっちゃ好きだー!

このお話の根底はやはり家族愛だと思う。
結婚しても兄についていきたがるネリスにはちょっとブラコンすぎでひいたけれど、いつまでもどこまでも家族、という姿勢は全編を通して貫かれていた。
きっと、作者さんは家族愛にあふれたお方に違いない。

私が好きなシーンは、結婚直後におかしくなったフィンの場面。
彼が普通の人間ではなくなってしまったという事実は残酷だけど、だからこそ、このお話はいい。

読み捨てられるとしたなら、二巻目に入った直後ぐらいかなあ。
そのあたりは場面が細かくぶつ切りになっていて、新しい登場人物が次々出て来る。
そこを乗り越えれば、あとはスルスル。

書籍を読み終えて、もっと先まで知りたくなり、番外をあさりに行った。
このお話の80年後の世界の書籍版も出ているみたいだから、書店へ行く機会があったら探してみる。
その話は完全にWEBから下げられており、内容は不明だけど、どうやらフィンの子供が出ているようだ。
ぜひ読みたい♪

満足度☆4つ
☆をひとつ減らしたのは、似た名前が多くてちょっと読みにくいと思ったこともあったから。
人名では、特にフィ、とかファ、とか入っているのが多い。
町名もコムリス、コストムとか似ていて、地図を何度も見た。
文句はそれだけ。
精霊をもっと活躍させてもいいとは思ったけど、そこまで入れていると分量的にちょっときついか。

このお話としては完結だけど、彼らの物語はまだまだ続いている。
いいお話に出会えたと満足のため息。

ツイッターでこの作品を紹介してくださった方、感謝してます。

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個別記事の管理2014-10-25 (Sat)
今日は少し前に読んだ市販の書籍の感想を。

「葉桜の季節に君を想うということ」  歌野晶午作 文春文庫 629円

ミステリーの賞を総なめにしたという作品。
元私立探偵の主人公トラは、自殺をしようとしていた女性さくらを救い、二人は連絡を取り合うようになっていく。
トラは、知人から悪質な催眠商法の調査を依頼され引き受けるが、事件の闇は深かった。

これは恋愛小説というよりも、ミスリードを狙ったミステリーだ。
以下、ネタバレしているかもしれない感想を少しだけ。



完全な題名と表紙買いだった。
素敵な心惹かれる題名。
どこかせつなそうで意味深な。私は涙が止まらないような恋愛小説が読みたかった。
それに、私自身が「葉桜」の場面を入れた小説を書いていたので、描写の勉強にしようと思ったのだ。

しかーし!
全く中身を確認せずに購入したら、冒頭「射/精」からはじまり、げんなり……
なんだよ、いきなりそれかい。
作者さんには申し訳ないが、こんな言葉から始まると知っていたなら私は買わなかっただろう。
いかにも男性向け? いや、でも表紙を見る限り、男性向けの官/能/小説って感じはしないけど。
買ったことを最初の一行から後悔したが、賞を総なめ、ということなので、がまんして読んだ。

思っていたような熱い恋愛小説ではなく、参考にしたいような葉桜の繊細な美しい描写もなく、あったのはただ、あれあれ????
あとでパラパラ読み返した。
作者さんにすっかりだまされてしまったらしい。
時間軸が何度もずらしてあり、そこが高い評価を得た点なのだろうと思うけれど、私としては読みたい場面がすぐに変わってしまうため、少々いらだちと疲れを感じた。

これはオチを知ってしまうとおもしろくなくなってしまうので、詳しく書けないが、あのオチについては納得できなかった。仕掛けはおもしろいが、設定にはちょっと無理があるんじゃないかな。

私は作者さんが全力で仕掛けた罠にまんまとはまってしまったわけだが、それが飲めるか飲めないか。
この作品の評価はたぶん大きく分かれると思う。
だまされて感激大拍手か、それはない、と思うかで、満足度が違う。

私としては……うーん、内容もだけど、ロマンチックな題名にだまされた感が強くて……
それでも、ラストの章まではページが進むのが早かった。
話がどこへ行くのかわくわくしたのだ。トラとさくらがどうなっていくのか知りたかったし。
でもオチがなんともいえず……ああう……まいった。
どうしても頭の中で絵にしたくない。この設定を否定したい自分がいる。

満足度は前半☆4、全部読んだら☆2つ半ぐらい。
甘い恋愛を期待するとちょっとうーんな作品でした。ミステリとしてはほどほどで。

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個別記事の管理2014-09-18 (Thu)
今日は市販の書籍の感想。

「ヴァレンヌ逃亡 マリー・アントワネット 運命の24時間」
 中野京子著  文春文庫 610円

フランス革命が徐々に進行していく中、逃亡を企てたルイ16世一家を、王妃マリー・アントワネット側から描いた作品。

書店で衝動買いしてしまった文庫本だ。
この逃亡事件については、大昔、コミックの「ベルサイユのばら」で読んで知っていたが、細かいところまでは知らなかった。
小説としては説明っぽい部分があり、ドキュメンタリー番組をみているようだと思った。

王と王妃はギロチンにかけられる運命だと知っているだけに、逃亡を応援したくなるような気持ちで読んだ。
結末はわかっているのに緊張した。
過ぎてしまった過去は変えることはできないけれど、あの場面でこうしていたら、といういくつもの「もしも」を思い、逃亡に失敗した王家の人々とその周りの支援者たちの悲しい末路に気持ちが重くなる。

どこまでが史実かわからないが、とにかく、この本では王の決断の遅さが何度も示され、始終イライラさせられた。
なにやってんだよ、王様。
命がかかっている危機感もなく、馬車の外へ出るなど、周囲をひやひやさせる愚行を繰り返すだけでなく、優柔不断さにむかつきすら覚えた。
こんな愚図な王様なんていらない、これでは家来がかわいそうだ、と思ったのは私だけではないだろう。

焦るアントワネットにのんびりしすぎたルイ。
フランス王家の運命は最初から決まっていたのかもしれない、とも思った。

逃亡を必死で手配したフェルゼンがこの作品ではめっちゃできる男として描かれていて……惚れるわぁ……
ああ、もったいない。なんでこんないい男が身を破滅させる恋に命を捧げてしまったのか。
だからこそかっこいいのかな。
恋の為にすべてを投げ打った男。
……しかし、これは冷静に考えれば不倫だよ?
当時は不倫など普通にありということは作中でも説明はあった。
そういうことには寛容な社会だったらしい。
フェルゼンは、子持ちの人妻をあきらめられずひたすら尽くし、愛する人妻が死んだ後も独身を貫いた外人男、と言い方を変えればちょっと残念になってしまう。
それでも、彼の行動力、はんぱなし。当時はさぞかしもてたことだろう。


民衆側、あるいは、ルイの視点でこの事件を描いた作品も読みたくなった。
書店に行く機会があったら関連書を探してみることにする。
満足度☆4
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