FC2ブログ
12345678910111213141516171819202122232425262728293031
個別記事の管理-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
* Category : スポンサー広告
Comment : (-) * Trackback : (-) |
個別記事の管理2014-06-08 (Sun)
今日は市販の書籍の感想。
図書館で見つけた短編集。

「モロッコ幻想物語」  ポール・ボウルズ編 超川芳明訳  岩波書店 2400円

ポール・ボウルズがモロッコの口承、伝承を聴き取って、編集し、翻訳し、物語にしたもの。
12の話が入った短編集であり、モロッコ文学の「五つの瞳」が元になっている。

以下、感想。一部ネタバレあり。




それぞれが完全に独立して読める短編集だった。
一話目から軽い衝撃を受けた。
次の作品へ進んでも、やはり衝撃は続く。
一言で感想を言うとしたら、「変わったものを読んだ!」としか言えない。
登場人物の感情を一切入れない筆で淡々とつづられるのは、突込みどころ満載の話ばかり。
予想できぬ展開の数々に、顔をしかめたくなるような悲劇もありで。
「そんな~!」と言いたくなるけれど、さらっと話が終わってしまったり。
物語は童話的であるけれど、教訓とかをあからさまに示すわけでもなく。
なんだろう……ノリとしては、イソップ童話とかグリムが近い作品もあるけれど、宗教色も入っていて、こども向けかどうかもわからない。

こんな書き方ではここを読んでおられる読者様たちに内容がわからないと思うので、少しだけネタバレ。
たとえば、一話目。

「魚が魚を食べる夢を見た男」
男には、鳥と猫の友人がいた。
魚が魚を食べる夢を見た男は、友人の鳥(オスだと思う)にこの夢の意味を尋ねたいと願う。
ところが、鳥はいつまでも帰ってこない。
そこで、猫が鳥を探しに旅に出ると、鳥は結婚していた。鳥の妻となった相手は、年よりで嘘つき。
猫は男の為に鳥を連れ戻そうとするが、鳥は嫁が年よりで飛べないので、拒否。
それならばと、猫が鳥嫁を背中に乗せて男の元へ帰ることになり、鳥は嫁より一足先に男の元へ飛び帰る。
二年ぶりに鳥と再会した男は、夢のことを話すが、鳥は、それは猫が自分の嫁を食べてしまうという暗示ではないかと心配になる。
ところが、鳥嫁は猫の背に乗ったまま無事に到着し、鳥嫁は、男の夢は「富裕者が貧者を食べる」という意味だと男にいう。
男は、鳥が本当のことを言わなかったと怒って、鳥を追い出し、鳥嫁と暮らすことに。
鳥が追い出されると、猫も一緒に出ていき、二人は遠くへ行って、それぞれに若い伴侶を得た。
おしまいw

……こういう話なんだけど……うん、あらすじを書いていても笑えてくる。
この突拍子もない感覚にのけぞる。
男は結局、鳥の夫婦を別れさせたってことでしょw
どいつもこいつもなんかおかしい。
そもそも、なんで男が夢にこだわるのかわからないし、友情や愛情ってなんだろうって思えてくる。
一話目からこれだったから、他の話はどうなんだろうと思ったけども。

無実の罪を着せられ、悲劇の最期を迎えた男の物語も、おりょ?
トラック運転手の男が、少年を誘って町へ花を売りに行く提案をする場面から始まる。
男は濡れ衣を着せられて捕まってしまい、少年は待っているうちに花は枯れて商売にならず。
男はやがて無罪となるが、拷問の影響で死亡。
男の妻は変な男に引っかかってしまい、無一文になってから、非業の死を遂げた夫のことを思い出すというオチ。
あれ、これ、少年の話じゃなかったのか。

義父に虐待され、最後は家を出た少年の物語も、さらっと終了。
そこで終わりかい……ってそれでいいのか、というラストに。
数々の冷たい仕打ちにも、少年が愚痴るシーンはない。

他の作品たちもこんな感じで、どれも、いろいろなことを思いながら読んだ。
物語の脈絡や伏せんをさぐりながら読みたい人には、この作品集は不向き。
日本語訳の美しさも期待できず、一部、宗教色の濃いものもある。
読者の感情移入を狙った表現はない。
予想できない展開にただ驚かされるばかり。
だけど……突っ込みまくりながら楽しんで読んでいた自分が確かに存在したのだ。
これもひとつの娯楽の形だと思う。
不思議な作品たちだった。
満足度☆3.5

余談だけど……モロッコってどこよ?……調べちゃった……
* Category : 書籍
* Comment : (0) * Trackback : (0) * |
コメント







管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。