雪のたわごと(旧)
観た、見た、知った、読んだ、ことについて思うまま書きなぐるブログ。管理人の私的日常日記。ついでに更新情報も。
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今日は少し前に話題になっていたコミック、「はだしのゲン」の感想。
中沢啓治作 「はだしのゲン」 全10巻 汐文社
第二次世界大戦の終戦前後の広島で、悲惨な目に遭いながらもたくましく生きる人々を描いた物語。
戦争の非道さ、原爆の恐ろしさを強く訴えた作品。
この作品が図書館から撤去されるニュースを見て、興味がわいた。
私は、一部の絵だけなら、歴史の資料かなにかで見たことがあるが、きちんと読んだのは初めてだった。
以下、感想。
物語は原爆投下前の広島で始まる。
主人公少年ゲンの父は、がんこに戦争反対を唱え続け、一家は全員壮絶ないじめに遭う。
ゲンの兄はそれに反発し、兵に志願。父を激怒させる。
やがて原爆が落とされ、ゲンは父と姉と弟を失う。
母はゲンを連れて知人を頼るが、その家でも歓迎されず、肩身の狭い思いをする。
ゲンは原爆孤児たちと知り合いになり、さまざまな目に遭いながらも、せいいっぱい生きていく。
……大切な仲間たちを原爆症で次々失いながら。
……って感じのお話。
どの表現が図書館撤去に値するのか。それを考えながら読んだ。
とにかく、なにかと暴力的な内容だった。
解決の手段はすべて暴力。
人が人を殴るシーンは数限りなくあり、そういう面では子供に超お勧めとは言いにくい。
原爆投下後の焼野原を、やけどで垂れ下がった皮膚を引きずりながら歩く人々の絵など、ショッキングな内容も小さい子には衝撃かもしれない。
性的な描写としては、問題にされそうな部分はごくわずか。
10巻に、一部だけだが性的な虐待描写がある。ショッキングな描写がふたコマほど。
日本軍がやった非道な行為としてあげられる部分だ。
問題になるとしたら、あの部分だけかなあ。あくまでも私の主観。
何巻目かに、女性が生きていくためにアメリカ兵に身を売る、という話も入っていたが、そこは濃厚に描かれているわけではないので、私としては閲覧不可にするほど問題ではないと思った。
PG12ぐらい? 親の許可があるなら読んでいいよぐらいのレベルで。
図書館撤去については、子供がトラウマになる、という親の意見も反映されているようだ。
あまりにも原爆が恐ろしいから。
でも、トラウマになった子供を支えるのは親の役目。
トラウマになるから読ませない、というのもなんだかなあ。
幼児さんや小学校低学年の子には刺激が強いと思うが、ある程度大きくなった子には読んでほしいと私としては思った。
物語全般を通して強く訴えられているのは、戦争への怒りだ。
戦争をするということは、一般民衆がこういうことになる、ということ。
これでもか、これでもか、と続くくどいほどのいじめ描写。飢え。その根源は戦争だ。
戦争に父が反対していじめられ、原爆のせいでいじめられ、学校も行けずで。住まいも食べ物もない。
顔にやけどを負った少女などもいじめの対象。
この人たちがどんな罪を犯したというのか。
読み進めるにつれ、理不尽な怒りがどんどんたまっていく。
ああいうことが過去の日本で確かにあり、それからまだ100年も経過していない、ということは誰もが知るべきだと思う。
「これは悪書か?」
そう訊かれたら、私は迷わず「悪書ではない」と答えるだろう。
この本は暴力的だが、忘れてはいけない大切なことがたくさん入っていた。
中沢啓治作 「はだしのゲン」 全10巻 汐文社
第二次世界大戦の終戦前後の広島で、悲惨な目に遭いながらもたくましく生きる人々を描いた物語。
戦争の非道さ、原爆の恐ろしさを強く訴えた作品。
この作品が図書館から撤去されるニュースを見て、興味がわいた。
私は、一部の絵だけなら、歴史の資料かなにかで見たことがあるが、きちんと読んだのは初めてだった。
以下、感想。
物語は原爆投下前の広島で始まる。
主人公少年ゲンの父は、がんこに戦争反対を唱え続け、一家は全員壮絶ないじめに遭う。
ゲンの兄はそれに反発し、兵に志願。父を激怒させる。
やがて原爆が落とされ、ゲンは父と姉と弟を失う。
母はゲンを連れて知人を頼るが、その家でも歓迎されず、肩身の狭い思いをする。
ゲンは原爆孤児たちと知り合いになり、さまざまな目に遭いながらも、せいいっぱい生きていく。
……大切な仲間たちを原爆症で次々失いながら。
……って感じのお話。
どの表現が図書館撤去に値するのか。それを考えながら読んだ。
とにかく、なにかと暴力的な内容だった。
解決の手段はすべて暴力。
人が人を殴るシーンは数限りなくあり、そういう面では子供に超お勧めとは言いにくい。
原爆投下後の焼野原を、やけどで垂れ下がった皮膚を引きずりながら歩く人々の絵など、ショッキングな内容も小さい子には衝撃かもしれない。
性的な描写としては、問題にされそうな部分はごくわずか。
10巻に、一部だけだが性的な虐待描写がある。ショッキングな描写がふたコマほど。
日本軍がやった非道な行為としてあげられる部分だ。
問題になるとしたら、あの部分だけかなあ。あくまでも私の主観。
何巻目かに、女性が生きていくためにアメリカ兵に身を売る、という話も入っていたが、そこは濃厚に描かれているわけではないので、私としては閲覧不可にするほど問題ではないと思った。
PG12ぐらい? 親の許可があるなら読んでいいよぐらいのレベルで。
図書館撤去については、子供がトラウマになる、という親の意見も反映されているようだ。
あまりにも原爆が恐ろしいから。
でも、トラウマになった子供を支えるのは親の役目。
トラウマになるから読ませない、というのもなんだかなあ。
幼児さんや小学校低学年の子には刺激が強いと思うが、ある程度大きくなった子には読んでほしいと私としては思った。
物語全般を通して強く訴えられているのは、戦争への怒りだ。
戦争をするということは、一般民衆がこういうことになる、ということ。
これでもか、これでもか、と続くくどいほどのいじめ描写。飢え。その根源は戦争だ。
戦争に父が反対していじめられ、原爆のせいでいじめられ、学校も行けずで。住まいも食べ物もない。
顔にやけどを負った少女などもいじめの対象。
この人たちがどんな罪を犯したというのか。
読み進めるにつれ、理不尽な怒りがどんどんたまっていく。
ああいうことが過去の日本で確かにあり、それからまだ100年も経過していない、ということは誰もが知るべきだと思う。
「これは悪書か?」
そう訊かれたら、私は迷わず「悪書ではない」と答えるだろう。
この本は暴力的だが、忘れてはいけない大切なことがたくさん入っていた。
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