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個別記事の管理2015-03-22 (Sun)
無料だったからなんとなく観てしまった……

「八日目の蝉」 日本映画 約2:30
原作は角田光代さん
4月12日まで下記のところで無料配信しています。
http://gyao.yahoo.co.jp/p/00460/v12508/

女が愛した男には妻がいた。女はやがて妊娠したが男に説得されおろしたことで、生涯子供を産めない体になってしまう。そんなときに男の妻が出産。女はその女児をさらって自分の子として育てる。その子供が四歳になったころ、女は逮捕され子供は実の両親の元へ。しかし、数年引き裂かれていた親子の溝は大きく、実母はなつかない娘にいらだちをつのらせ、娘も誘拐犯と過ごした愛情たっぷりの日々を忘れられない。やがて成長した娘は、実父と同じような妻子ある男性の子を身ごもり……というお話。

以下、若干のネタバレを含む感想など。



映像は過去と現在をごちゃまぜにしながら進行する。
全部観て……
あーなんだろうね、これは。
誘拐犯に同情したくなっている自分がいた。
赤ちゃんを誘拐したんだから、許されないに決まっているのに、このいつわりの母子がこのままずっと一緒にいられますように、なんておかしなことを考えてしまった。
誘拐犯は責められて当然のはずだけど、実母の攻撃がすごすぎでかわいそうに思ってしまったのもある。
私は原作は未読だけど、原作も悪いことをした人の方を応援したくなる小説のようだ。
母性に目覚めた誘拐犯がとにかく切ない。
でも実母の狂気じみた行動もやっぱりわかる気がする。
夫を愛人に寝取られただけでなく、その愛人が子供を誘拐。子供の一番かわいい時に接することができず。
そりゃあ怒り狂っても当たり前。

罪を犯したのは誘拐犯の女だけど……どうもすっきりしないのだ。
うーん……どう考えても一番悪いのは、浮気して二人の女性を傷つけた男だろうがー!
男は誘拐犯の愛人として全国に放送され、仕事を失って酒におぼれているという説明はあったけど、画面にはそういう描写はなく(私、見落とした?)、男は普通に父親らしく(娘に小遣いを渡そうとするなどして)生きているっぽくて、説明だけが浮いた感じがした。浮気して愛人に子供をおろさせた悪人。男が事件の元のくせに、離婚すらしていないし。
映画のレビューを観て、実母の描き方への批判などが複数見受けられたけど、私は諸悪の根源であるずるい男をどうにかしてほしかったな。

娘が惚れたのもまたずるい男ってw
娘の彼氏役を演じたのは劇団ひとりさん。
この人が彼氏役ということで不満を述べている人もいるようだね。
確かにイメージがバラエティーで、そのイメージで見てしまう人もいたかもしれないけど、演技としてはよかったと私は思う。都合よく女を抱きたいだけの下半身男ぶりが見事に表現されていた。

気になったのは宗教団体のところ。
宗教団体の教祖様が、なんかおかしな関西弁キャラのおばさんだったけど、あれは原作でもそうなの?
それに、宗教ハウスでなんか突然朝になっていた? その説明はなかったような。

誘拐犯がどんなふうに逮捕されて、さらってきた娘と離れてしまうのかが気にかかって、緊張しながらしっかり観てしまった。
母親になった人とそうでない人が見るのとでは、この映画の評価は大きく違うかもしれないね。
私はときどき泣いてしまった。
母親であることって……苦しいね。でもそれはうれしく幸せなことでもある。
盗んできた愛する男の子を育てているならなおさら。
満足度☆4
* Category : 映画
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